未練なんてカケラもない
君の背を見送ったあの時から
一歩一歩階段を上る度、近付いてくる。
探査の力などなくても、少しづつ空気の色が濃度を増していくのが分かる。
僕にだけは、感じられるのだ。
ずっと僕の中にいた君。
僕の身体の奥底で眠っていた君を、僕がわからないはずはない。
君が胎児なら僕はゆりかごで、
君が赤子なら僕は母で、
君が友達なら僕らは親友で、
君が宣告者なら僕は。
剣の柄を握る手に汗が滲んでも、歩む足が酷く重く感じても、例え明日がなくても僕は足を止めるわけにはいかない。
頂上へ。
君であって君でないものと、僕は誰より天に近い場所で巡り逢うだろう。
抱いているのは希望なんかじゃなく、もっとドロドロでエゴイズムの混じったもの。
この身体が空になるまで、そいつを吐き出さなきゃ気が済まないだけだ。
階段を上る。
僕は上り続ける。
どこに続いているのかも分からない階段を、ただ君のカケラを目指して上る。
迷いはない。
諦めないと決めた僕は、最後までやり遂げて見せるだろう。
万が一倒れる時だって変わらずに思い続けていると断言出来る。
変わらない結末でも、ただもう一度だけ。
僕は変わらず、
終わらない夢を見る。
「やあ、また会えたね」
******************************************************
バトル前、主→綾
- 作品名
- Spiral a screw
- 登録日時
- 2008/08/24(日) 19:39
- 分類
- ペルソナ3::SS(千里)